日本では旧文部省が1999年、学習障害(LD)を定義しています。
「学習障害(LD)とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。」
このLDの定義・・・ちょっとわかりにくいですよね(笑)
まとめると、
・全般的な知的発達に遅れがない。(知的障害ではない)
・ただし、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」能力のうち、一つ以上が困難。
・後天的な原因でなるものではない。
ということです。
もっと平たくいうと、
「知的障害ではないが、先天的に学習に関する能力の一つ以上に困難がある」
という種類の発達障害です。
また、アメリカの精神医学マニュアルであるDSM5では、限局性学習障害(SLD)とも呼びます。
読字障害(ディスレクシア)、書字障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカルキュリア)などのLDの種類はDSM5による分類です。
知的障害ほど明確に判断できないため、専門医に診断を求めても、すぐに「LDと確定診断」を受けるケースは決して多くありません。(LDの疑いがある、LDの傾向があると言われることが多い。)
LDと確定診断と受ける前でも、現実的に学習の困難が生じている場合には、学習の支援策を講じましょう。